外壁材の1つに、焼杉があるのをご存じですか?
杉板の表面を焼き、炭化した木材です。近ごろ「黒い壁にしたい」と、焼杉をリクエストする方が増えているそうで、アート・宙でも、焼杉を使った家づくりのいくつかを手掛けてきました。
今回は、焼杉材についてご紹介いたします!
■国産材の推奨
杉を焼き焦がし、人工的に炭素層を形成した焼板。
西日本特有の伝統技法で、東日本にはあまり広まっていないのだそう。焼杉は、バーナーで工業生産的に製造する方法に対し、伝統的な手焼きの製造方法の方が炭化層が厚く固いため、はがれにくいと言われます。その分手間ひまかかるので、価格も上がります。
ウッドショックは落ち着いたとは言うものの、輸入材価格はまだ元通りではなく、世界的に「サステナブル社会」が目指される今、国産材を推奨する動きは加速しています。国産材かつ伝統技法を用いて自然素材の特徴を生かしたこの焼杉は、今後ますます注目を集めることになるでしょう。
■焼杉のメリット
焼杉は、炭化されたことでそれ以上腐敗が起こらず長持ちしますので、経年劣化に強い素材です。また、湿気にも強く、白アリなどの防虫効果もあり、有能な資材です。
炭と同様触ると黒くなってしまいますので、内装材としての使用ではなく、あくまで外壁材としての利用になります。
一般的な木材に比べれば最初の値は張りますが、メンテナンスを必要としないので、長期的にみればコスパが良いと言えるかもしれません。
■焼杉を用いた家
表面が黒い炭状の焼杉ですが、その色の程度は一律ではありません。
真っ黒く焦げたものから、うっすら焦げ茶色をしたものまで様々。シックで黒一色の外観イメージをお持ちの方は、外装全体に焼杉を使うことがあります。木材が持つ自然の温かみも感じつつ、炭化特有の光沢や色むらに赴きがあり、重厚感と落ち着きある外観に仕上がります。
また、外観のアクセントとして一部に使われた焼杉。
それがあるのとないのでは、まるで印象が変わります。ネイビーの壁とのバランスがとれ、ナチュラルモダンな外観に。
モルタルやタイル、塗壁など、どんな材質ともマッチしやすいのもこの焼杉の特徴でしょう。
ただ見栄えが良いだけではなく、外壁としての資質も高い焼杉。
他の家と差別化した、個性ある家づくりをしたい方には、この焼杉が一翼を担うこと間違いなし!
このコラムを通して焼杉を知っていただいた方は、家を建てる際には資材のひとつの選択肢として検討してみてくださいね。