最近は、ニュースでも学校や企業の広報活動でもSDGsという言葉をよく耳にするようになりました。持続的な開発目標として、世界の人たちがこれからの行動指針としてSDGsをベースに考えるなか、アート・宙の家づくりをSDGs的な視点で振り返ってみたら、一体どんなことが見えてくるのでしょうか?
■私たちの責任は「ずっと住み継げる家を作る」こと
とかく自然環境を守る、という視点から物事を考えたとき。
何かを作る・買うという消費活動は「無駄遣いをやめてゴミを出さず、環境を守ろう」という話の流れで見直される対象になります。
一方で、私たちの仕事は家を作ること。
もちろん、大量生産・大量消費のものではなく、長く使うものとはいえ、やっぱり「作る責任」というものはあると考えています。
家を作るにあたって、私たちが作る責任として一貫して考えているのが
(1)その家に暮らす人が健やかに過ごせること
(2)環境にやさしく、自然と共にある住まいを作ること
(3)伝統技術や文化を継承すること
この3つを大切にしています。
健やかに過ごせる健康な家づくり、という視点からのお話は以前のコラムでもお話ししましたので、今日は環境に優しくあるための家づくりのことについて考えてみたいと思います。
■地元の木材を使うことで、三重の山を守る
温暖多雨な気候と良質な森林土壌に恵まれて育つ熊野の杉やヒノキを使っている私たちの家づくり。
地元の木を使う理由はたくさんありますが、熊野の木を使うことは、熊野の山と森林を守ることにもつながるということご存知ですか?
ずっと木と共に暮らしてきた私たち日本人。山の木は、適切に伐採して維持管理し、次の世代のための木が育つ環境を作ること、実はとても大切です。
「自然を守ろう」と考えると、できるだけ自然には手をかけずにそのままにするのがいいと思いがちですが、山の木に関しては、人の手が程よく入ることも大切な山と森林を守ることに繋がっています。森を守ることは、土砂崩れを防ぎます。また、土砂が海に流れ込みすぎて発生する赤潮なども防ぐこともできます。
■職人さんの技術を次世代に残そう!
申した地元の木材を使い、家づくりを続けるために欠かせないのが、たくさんの技術と経験を持った職人さんたちです。大工さんはもちろんのこと、塗装屋さんや外構屋さんなど、アート・宙にはたくさんの職人さんが家づくりに関わってくださっています。
今、職人さんは様々な理由で人手が減り、高齢化も進んでいます。
けれど、SGDsな社会を実現するためには、職人さんたちが持つ技術や経験、そして職人さんたちが長い年月かけて伝えてきた「自然と共に暮らす」ための知恵は決して途絶えさせてはいけないもの。
だからこそ、アート・宙では大工さんをはじめとし、職人さんたちによる家づくりを続けています。
技を継承する場を作り続ける。これも私たちの大切なSDGsへの取り組みです。
◎アート・宙 イベント情報
https://www.artsora.com/jeengross/event/