アート・宙には、大工・左官・建具など、専属の職人が複数人います。
多くのハウスメーカーの家づくりが、組立式でオートマチック化された近年、優れた技術を持つ職人も数が減ってきています。
今回のブログでは、当社自慢の職人たちが施したその匠な技を、ぜひみなさんに知っていただきたいと思います。
■アート・宙の職人たち
当社の専属職人になるにはいくつかの段階を踏む必要があります。それまでどんなに経験があろうとも、まずは、現場監督のもとスタッフとして現場を見てもらいます。次に、1棟目2棟目と、現場に入り他の職人たちと作業してもらいます。その上で、3棟目から実際にその方を中心に入ってもらうという流れです。
職人一人ひとりには、それまでそれぞれが積み上げてきた腕と経験がありますが、家づくりの品質を高く一定に保つために、互いの理解と信頼を深めることを大切にしています。
■腕のいい大工職人とは
建築業界では、大工は「和室・階段ができて一人前」とよく言われます。
特に階段。大手ハウスメーカーなどでは既製品として、組み立ててはめ込むだけのつくりであることも多くなり、早ければ半日もかからず仕上げることができます。そのため、職人の腕云々は問われません。
しかし、階段を一からつくるとなれば、アート・宙では最低でも2~3日を要しますし、それができる職人は少ないのです。
階段は長物の材料を使います。材を傷つけず、邪魔にならないよう、作業は全行程の中盤過ぎに行います。1枚の板を削るところから始まりますが、作業の難しさから、職人に「材料の取り直しをしてくれ」と依頼が入ることもあります。
■和室に光る技術
和室には、「これぞ職人技」が光る様々な施しがあります。
例えば、アート・宙の展示場「四日市ギャラリー」の和室は、当社で家づくりをお考えのお客様にはぜひ一度は見ていただきたいと思っています。
ご来場いただいた多くの方からお褒めの言葉をいただくのが、この縁側の網代天井です。木を細く割り、それを編み込んでつくっています。編んでいる途中に解けてくるので、綺麗に編み込みながら天井に貼っていくその作業は、本当に腕のよい職人だけができる匠の技です。
また、床柱や落掛に天然林を形そのままに利用する場合、太さが違ったり曲がったりしている木材を上手にはめ込む、あるいは上手に収まるように木材の方を曲げるという作業も、誰にでもできることではありません。
■左官の腕の良し悪し
和室の壁塗りは、当社のように天然材をそのまま使う場合、そのいびつな形に沿って行わなければなりませんので、かなり丁寧な作業を要します。また、左官職人は、仕上がりを見ればその腕の良し悪しが一目瞭然。
近ごろはDIYで、一般の方々が壁材を自ら塗ることも容易になり、そのデコボコとした塗りムラが、味があってよいとされる場合もありますが、当社の職人の壁塗りは、薄くとも下地は決して見えず、照明が当たったとき、影として浮き上がるこて模様が均一なのです。これも、ただ経験があるだけでなく、プロ意識と仕事へのこだわりがなければできないことです。
力仕事のイメージが強い建築職人ですが、当社の匠たちはこうした繊細で緻密な仕事をしています。
お客様に完成した家を引き渡す時、お客様にとっては打合せで何度も顔を合わせてきた営業や設計担当者が「アート・宙」に見えるかもしれませんが、実際はこうした現場の職人たちこそが、お客様の目や肌に触れる部分をつくり上げているのです。