一言で「木」と言っても、建材の木には様々な種類があります
木からそのまま伐り出した材
「無垢材」は、伐採した木を乾燥させ、柱や梁、床材などの形に伐って整えた「天然」の木材です。
乾燥して伐っただけなので、良くも悪くも木そのままです。
木目は1枚1枚異なるし、節があったりなかったりするし、色も伐り出す位置によって出方が異なります。
また、産地や年数によって、それぞれ特徴があったりもします。
無垢材と対比されるのは「集成材」です。
「集成材」とは、小さく切り分けた木材を乾燥させ、接着剤で組み合わせた「人工」の木材です。
接着する木材の大きさなどは規定はありません。
床材などでは、表面にシートを貼っているものなどもあり、より人工材らしさがあります。
(合板も一種の集成材と言えます)
無垢材は木そのままなので、年を経るごとに色合いや艶が増し味わい深くなっていきます。
調質効果もあるので、湿気が多い時期でもべたつくことなく、サラッとした床や空気感を伴います。
香りもいつまでも残ります。
ただ、住んでいる人は慣れてしまって気づかなくなるのが残念なところです。
メリット
- 木そのものなので、湿度調整効果が優れている
- 接着剤など化学製品を使わない
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- シックハウス等健康被害の心配が少ない
- 剥がれる心配がなく、耐久性がある
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- 耐久性は昔からの使い方をすれば保証される
- 木の持つ本来の香りや味わいを保てる
デメリット
- 変形(反りや隙)したり、割れやすい
- 産地や等級によって、価格が高くなる
- 扱える大工・職人が限られる
メリット
- 素材による品質のバラツキが少ない
- 規格があるため一定の品質が保証されている
- 規格品なので、比較的扱いやすい
- 製作当初の強度は無垢材より強い
デメリット
- 接着剤で結合するため、剥離する可能性がある
- 歴史が浅く、長期間での構造体での使用実績が少ないため、耐久性は不安は残る
- シックハウスや火災時の黒煙などの問題
- 細かな木材を接着剤で圧着しているので、材料によっては傷がつくと異なる材が見える
望む暮らしに適した材料を
例えば、水への対策。
木は水に弱い。無垢材は木そのものなので、その性質も持っています。
確かに、水に濡れたままになれば、腐食の原因になったり、水染みができたりします。
そうならないように、樹脂製のワックスを塗れば、無垢材でも水に対する耐性は格段に上がります。
しかし、木が本来持つ「呼吸をする」力、つまり、通気・調湿作用はほぼ失われます。
木独特のサラッとした肌触りもなくなります。ツルツルとしたシートのような質感になるでしょう。
でも、それでは、無垢材を使用する必要がなくなるのではないでしょうか。
良さを殺してまで、無垢材にこだわらなくても良いと思います。